失敗しない【きものシーン別に合わせた草履の選び方】

着物でお出掛けする上で必要な物の一つとして草履(ぞうり)があります。
洋服でいうと靴に当たりますが、靴はいろいろな物があるものの、草履は形が一緒なので一見分かりづらいかと思います。

なので今回、どんな着物にどんな草履を合わせたら良いのか分からないという方向けにお伝えさせて頂きます。

それでは早速、草履を下記の4項目で分けてご説明していきます。

・礼装時に合わせる草履
・準礼装〜普段着に合わせる草履
・雨の日に合わせる草履
・冬に合わせる草履

【礼装時に合わせる草履】


礼装用は金や銀の色が使われた物が多く、台にも高さがあるのが特徴です。

礼装用バッグとセットになっている物もあり、留袖(とめそで)や訪問着など格の高い着物に合わせていただくような草履で主に婚礼時などで着用します。(もちろんセットではなく草履単品で販売されている物もあります)

【準礼装〜普段着に合わせる草履】


準礼装とは最初にご説明した礼装(正装)からひとつ格を落としたものを指します。

こちらのような草履は訪問着や付下、お召などに合わせてパーティーやお茶席などシーンに着用されると良いでしょう。



少しややこしいのですが、鼻緒を変える事で草履の格が違ってきます。

一見、先ほどの草履と台は一緒に見えるものの、鼻緒がカジュアルになっているのが特徴です。
また、台も礼装用と比べると低い物が多いです。

鼻緒の雰囲気にもよりますが、こちらのような草履でしたら小紋や紬などに合わせていただければ問題ありません。

台と鼻緒の選び方によっても格や合わせる着物が異なってきますので、
初めは履物屋さんか呉服屋さんに相談しながら決めるのが無難です。

【雨の日に合わせる草履】

雨の日に合わせる草履を雨草履(あまぞうり)、または時雨(しぐれ)と呼びます。
つま先の方に透明のカバーが掛かっているのが特徴です。


雨草履の中でもギザギザが付いてる物でしたら、雪解けの時期などに履いて頂いても構いません。
特に北海道では3月頃でも雪が残っているので、そのような季節にも重宝です。

【冬に合わせる草履】

寒い時や雪の時に合わせる草履を防寒草履と呼びます。
つま先に厚めのカバーが掛かっているのが特徴です。


ちなみに防寒草履は防水ではないので、雪の日などに着用した際はそのままにしてしまうと中のコルクが割れて劣化してしまう可能性もあります。

水分をしっかり拭き取り、日陰でゆっくり乾燥させてから収納していただければ長くお使いいただけます。

天候が悪い時に雨草履や防寒草履は外歩きに重宝ですが、
ホテルなどの出入りされる際に野暮ったく思われる方もいらっしゃると思います。
履き替え用に当日の着物に合う草履を別に持参されても良いでしょう。

《きものに合わせる履物は草履だけ??》

草履の他に「下駄」もあります。

下駄は基本的にはカジュアルな装いに合わせる履物になります。
洋服でいうとスニーカーみたいなものです。


台の色も白や茶の物があり、素材は桐やヒノキなどがベーシックな物としてあげられます。
浴衣や麻、紬の着物にお勧めです。

雪道を歩く用の雪下駄という物もあります。

このような下駄になり、特に雪国では大変便利な下駄になります。

下駄底もギザギザのソールが付いているので、滑りづらくなっております。
こちらも紬などのカジュアルな着物に合わせるのがお勧めです。

《男物にはどんな物があるの??》

上記でご説明した女性の方用と大体同じように男物にも種類があります。

【礼装時に合わせる草履】


主に婚礼などに着用され、鼻緒は白を選びます。



近くで見るとこのような素材感になります。
こういった竹皮草履(畳表)の裏に革を張り付けたものを雪駄(せった)とも呼び、千利休が考案したといわれており、
かかと部分には金具が埋め込まれているので、歩くたびにカチカチ鳴るのも粋とされています。

ただ、雨の日やタイル地面などでは滑りやすいので、スライドさせないよう真っ直ぐかかとを下ろすように歩くのがコツです。

【普段着に合わせる草履】


こちらは帆布で作られた草履になりますが、
他にも革、合皮、コルク、ビニールなどの素材も使われた物があります。

お召や紬などに合います。

【雨の日に合わせる草履】


女性の方同様に透明のビニールで足先をカバーした物になります。

【冬に合わせる草履】


こちらも同様につま先に厚めのカバーをした物になります。

女性の方同様、かしこまった所にお呼ばれの際は男性の方も雨草履や防寒草履が野暮ったく感じられるようでしたら、履き替えの草履を持参されるとよりスマートに着物を魅せる事も出来ますので、ご参考になさってください。

【男性用の下駄】


下駄はカジュアルなので、紬や浴衣、麻の着物などに合わせると良いでしょう。

如何でしたでしょうか。
今回ご紹介した物以外にも台や鼻緒に色々な種類があり、たくさんのおしゃれを楽しんでいただけます。

当店でも草履職人が来場した際はお好みの台と鼻緒を選んで、ご自身のオリジナル草履を作製できるような催しも行っておりますので、その際はお気軽に遊びにいらしてください。

都度、催事情報にてご案内致しておりますので是非ご参考になさってください。

コメントを残す