2020年9月に開催しました秋の美術展のレポートになります。
京都の織元をお呼びし、作り手から直接作品に込めた想いをお話いただきました。
その中で、何点か作品と込められた意味をご紹介させていただきたいと思います。
こちらは正倉院に収められている金銀鈿荘唐太刀を帯の表現として落とし込んだ作品になります。
刀を鞘に収め、平和を願う気持ちが込められています。
見た目もインパクトがあり、きものの着姿を引き締めるような逸品です。
こちらは四方八方に咲いた菊の花で幸せが広がっていくよう願いを込めた作品になります。
また、菊は皇室の家紋としても使用されており、『高潔』『高貴』『高尚』といった意味があり、それにふさわしく表現された帯になります。
こちらは一風変わったモダンな帯になります。
横糸にうるし糸を使用することにより、ツヤ感のある表現で織り込まれた逸品になります。
コーディネートに想像が膨らむ素敵な帯です。
最後にご紹介するのがこちら。
本物のレース糸を織り込んだ逸品で、どこか洋風な雰囲気です。
レースも一本の糸から円の形状に織りあげていく為、ご縁を大切にするという意味が込められています。
合わせるコーディネート幅も広く、紬から色無地、お召、小紋など色々と合わせることが出来ます。
また、大変軽いので締めていても疲れない重宝な帯です。
如何でしたでしょうか。
ほんの一部のご紹介でしたが、作り手から直接お話を聞きながら作品を手に取ってみるとまた違った視点でモノを見つめることができます。
きものには全て意味があり、また込められた想いがあります。
袖を通す、帯を締める度にそういったことも思い出しながら楽しんでいただけると、より一層きものが愛着の沸く存在になるかもしれませんね。
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