着物にまだ慣れていない方で、どんなシーンにどの帯締(おびじめ)を選んだらよいのか迷われる方も多いかと思います。
今回はシーンや季節ごとに選ぶ帯締のポイントや、着用に関する知識などをご紹介していきます。
帯締をより詳しく知っていただく事で着物の楽しさも増えてきますので、ぜひ最後までご覧ください。
まず、押さえておくポイントとしては
・カジュアル用なのか(小紋や紬など普段着の着物に合わせるのか)
・どの季節に着用するのか
上記のポイントからご自身が選ばれる帯〆を判断します。
それでは詳しくご説明していきます。
<礼装用>
礼装用の帯締ですが、参考例として下記のような物があります。
基本的に金や銀糸が使われており、豪華な印象が見受けられます。
婚礼や祝賀会などにご使用される事が多いでしょう。
<カジュアル用>
次にカジュアル用の帯締ですが、参考例として下記のような物があります。
金糸が使われておらず、色や柄の出し方も様々です。
基本的に紬や小紋などのお洒落着に合わせます。
最近では2本を繋げて違う色を楽しめる帯締もあります。
(1本の長さが短くなっているので、2本で1本分の長さになります)
《もっとお洒落を楽しみたい!》
カジュアルシーンに合わせるアイテムとして帯留(おびどめ)があります。
こちらは参考例としてガラスの帯留です。
他にも銀細工や漆塗り、焼き物など種類がたくさんあるので、幅広いオシャレを楽しむ事ができますよ。
しかし、帯留に帯締を通す際に穴の大きさがモノによって違います。
帯留によっては幅の狭い帯締を選ぶ必要がある場合もあるので、そちらも覚えておきましょう。
種類としては3分紐(さんぶひも)や4分紐(よんぶひも)などがあります。
(モノサシの尺・寸・分(しゃく・すん・ぶ)の寸法で一分(いちぶ)は約3.03mmになります)
参考として幅の違う帯締を並べてみました。
ちょっとした差なのですが、帯留が入らなかったり、着物全体の印象も変わってきます。
初めはお店の方と相談して決めるのが無難でしょう。
<季節で選ぶ帯締の種類>
そして、大事なのが季節です。
春夏用と秋冬用があると覚えて頂けると良いでしょう。
下記の2点の帯締を比較してみてください。
こちらが春夏用の帯締になり、着用時期は6月〜8月になります。
よく見ると、メッシュ状になっており、透け感があるので涼しげに感じられます。
こちらが秋冬用の帯締になり、着用時期としては9月〜5月になります。
先ほどとは違い透け感はなく、しっかりと打ち込まれたものになっております。
<通常の帯締だと長さが足りない>
長尺(ちょうじゃく)と呼ばれる長いタイプの帯締もありますので、通常の長さで短く感じられる方は長尺を選ばれると良いでしょう。
<シーンによって帯締のふさの向きを変える??>
着用した際のシーンによって、帯締の着付方が変わります。
帯締のふさの向きを変えて相手への気持ちを表す意味合いがあります。
ちなみに「ふさ」とは帯締の先っぽの事です。
少し覚えるのが面倒と思われる方もいらっしゃると思いますが、知っていると後々に役立ちますので是非ご参考になさってください。
ちなみにこちらが上向きになり、
こちらが下向きになります。
《シーン別 帯締のふさの向き》
・逆にご葬儀などの弔事(ちょうじ)シーンではふさを両方下向きにします。
(弔事の際は、帯・帯締・帯揚は喪服用の物をご使用ください)
・普段のシーンでは片方を上向き、もう片方を下向きにします。
(地域によって違いがありますが、左右は特に気にされなくても良いでしょう)
<帯締コーディネートの豆知識>
《帯締が少し長い場合》
帯締が長い場合は一周回して締めても問題ありませんよ。
<帯締、帯揚の位置を変えることで雰囲気が変わる>
ちょっとした差なのですが、若い方は帯締を帯の中央で締め、帯揚は少し見えるように出してあげると華やかさが引き立ちます。
振袖や10代の方が着用される場合はもっと帯揚を出してあげても良いでしょう。
写真ですと比較が分かりづらいかもしれませんが、帯締を帯の中央より少し下で締め、帯揚はさりげないくらいで帯から出してあげると落ち着いた雰囲気になります。
着付けに慣れてきた方は色々とお試しください。
<帯締の結び方がわからない>
覚えるまで少し大変なのが、帯締の結び方です。
簡単な動画を作成しましたので、こちらをご参照なさってください。
まとめ
・季節によって帯締を変える(春夏用と秋冬用があり、季節によって判断する)
・シーンによってふさの向きを変える(お祝い事、弔事、普段用でふさの向きを使い分ける)
如何でしたでしょうか。
帯締は着物全体のコーディネートを引き締めるアクセントであり、印象が全く違ってみえます。
また、今回は簡単なご説明でしたが、帯締の組み方(くみかた)の種類もたくさんあります。
皆様が楽しみながら帯締を選んでいただければ幸いです。
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