きもの目黒〜恵比寿講市レポート〜

11月に当店にて開催されました恵比寿講市の内容になります。

今回は京都伝統工芸展〜織りと染めの世界〜というテーマで開催致しました。

早速ですが、織りの作品からご紹介致します。

純国産の絹糸にこだわり、高品質な糸から織りなされる軽やかさと色彩が美しい”織匠田歌”の作品たちです。

まずは吉野間道の帯からご紹介です。


すっきりとした着物と合わせるとこのような雰囲気です。
お茶席に凛と映える一本です。


次々、ご紹介していきます。
こちらの帯は手に取ると、ふっくら柔らかい感触ですが、重厚感が感じられる一品になっております。


間近で見るとこの織りの細かさです。
糸の細さもさることながら、高度な織りの技術がなければ為し得ない芸術作品です。


合わせた着尺(きじゃく)も田歌の作品になります。
こちらは経錦(たてにしき)と呼ばれる経糸(たていと)のみで柄を出す技法が使われています。
かなり高度な織りの技法のため、製作できるところも限られるのですが、その分絹の良さを引き出し、風合いや光沢感が楽しめる逸品になります。


こちらも品格を感じられる組み合わせで、まさにお茶席好みの逸品。


近くで見ると多色使いと優しく表現されたグラデーションに目を奪われます。


“早雲寺柄”の着尺は4色展開でした。
仕立てるとどんな雰囲気になるのか気になります。


近くで見ると柄も細かく、色もたくさん入っていることが分かり、とても雅さが感じられる着尺です。



さて、次は染めの世界から。
ご紹介致しますのは、享保18年(1733年)初代 金谷安部兵衛が創業した呉服商から今に続く老舗の「野口」になります。


まずは、インパクトのある染め帯とそれに負けない小紋のご紹介。




野口は染めは、全ての工程に手抜きせず本加工を作品に施しているので、繊細さが際立ちます。
こちらは色合いが優しく優雅な印象の「南蛮人」というタイトルの作品です。




こちらは見ている側が楽しくなるような雪の結晶柄です。




ブルーが目に飛び込んでくるような鮮やかな楓(かえで)の中にさらに細やかな柄が施されています。




こちらは振袖の一部ですが、贅沢な金使いが見て取れます。
あえて光らせず、落ち着きある金がまた優雅さを演出してくれています。




若い娘さんが晴れやかに振袖に袖を通す姿を想像してしまうような逸品です。



最後にご紹介するのは猫好きの方にお勧めのモダンな帯です。




よく見ると目の部分に二種類の金刺繍を施すことで作品に奥行きをもたらし、猫のミステリアスな表情を演出しています。




前の部分は可愛らしく足跡か猫に小判と洒落の効いた作品になっております。



如何でしたでしょうか。
京都は古くから続く老舗の工房が技を繋ぎ、きものを通じて日本の伝統や文化を今に伝えています。
また次回のきもの展覧会をお楽しみに。

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